ゴトウ

ある用務員のゴトウのレビュー・感想・評価

ある用務員(2020年製作の映画)
3.0
キャストが豪華。髙石・伊澤コンビが出てきてテンション上がったし、唐突な前野朋哉に笑ってしまった。持ち味の緊張感のない会話と暴力の応酬はしかし、何作も観ているとちょっと飽きも来てしまうかもしれない。それこそ『ベビわる』シリーズみたいに登場人物に思い入れ(あるいはキャラ萌え?)があればいいかもしれないけれど、ぽんと出てきたやつを好きになるのもなかなか難しく、登場人物も多いのでいまいち乗り切れない部分もあった。そこは重要そうに見えたやつが瞬殺されるとか、出てきたと思ったら死ぬ、死んだと思ったら生きてたみたいな裏切りで緊張感を保っているのだろうけれど、フリが少ないと「あ、死ぬんだ」くらいで終わってしまうかもしれない。早回し、コマ落としを多用するアクションシーンは面白かった。

前半と後半でガラッと雰囲気が変わるのは『黄龍の村』とも似たものを感じた。しかし前半の般若のセリフ聞き取りにくすぎる。そういう演技指導が入ってるのかもしれないけれど、ファッションサイコみたいで全体的に般若の演技キツい!一ノ瀬ワタルをもったいない殺し方してからの、裏切られたと分かっていても殺せない演出、もう虫の息(なんなら死んでる)相手を自分が「殺したことにする」みたいなシーンは前半のハイライトだった。後半の殺し屋大集合展開は、今後別の作品とかで使おうとしているアイディアを雑にぶち込んだみたいな感じもして楽しかった。散々血が吹き出てるのに、髙石あかりだけ死に顔すら出てこないのは笑ってしまった。

本筋と全く関係ないDQN高校生みたいなのが出てくるのも『黄龍』を感じた。妙に生々しい上に話と関係ないのが笑える。なんだかんだで最後の最後、実現しなかった平和な時間を夢想するところで泣かせも入れてくるのもニクい。

山路和弘が烏丸所長にしか見えず、そこでも笑ってしまった。
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