外は雨

戦場のメリークリスマス 4K 修復版の外は雨のレビュー・感想・評価

4.2
大島渚監督。陸軍大尉ヨノイという男は226事件に立ち会えず友と共に死に損なった男。そんな彼がセリアズに出会った瞬間から、彼から目が離せなくなり、必死に自分の精神の均衡を保つために誰かに罰を負わせる。初恋だこれは。神道と仏教とキリスト教。寄宿舎学校と捕虜収容所。

悔恨と、自分への復讐と、赦しと、恋と、友情と。セリアズは過去の後悔を、ハラは粗暴で無教養だがその癖死者へのお経を唱え送り出しもする。いや、お経は生きてそこにいる人に向けたものか。

当時は子供だったので、坂本龍一、たけし、ボウイという役者というかその人にばかり目が行きすぎて、正直一体なんなのかよくわからなかった感じだったかな。特に昔は坂本龍一大好きだったし、たけしはタケちゃんマンだし映画として観る事が難しかった。

改めて観ると、たけしの人懐っこさと内気さが同居している癖に狂気を孕んだ、得体の知れない雰囲気は本当に稀有だなと思った。坂本龍一はやっぱり滑舌が悪くて化粧が濃い。音楽は素晴らしいけれど、この80年代の音の空気を、さてどうしようと思う気持ちにもなったり。
外は雨

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