さよなら僕のマクガフィンたち

愛のコリーダ 修復版のさよなら僕のマクガフィンたちのレビュー・感想・評価

愛のコリーダ 修復版(1976年製作の映画)
3.4
僕は思いますけれど、センセーショナルな結末は待っているものの、誰もが知っているお話じゃないですか。この映画って定と吉蔵が出会ってからだから、定の壮絶な人生に触れているわけではないし。じゃあなぜ飽きさせないか。

性描写。日本初の本番を撮っている映画。それだけで直接的な刺激はある。
でも、どこか抒情的かつ文学的で、映画序盤から死を思わせるカットが入る。音楽は日本的に盛り上げて、静寂なシーンもまた2人の息づかいを際立たせる。赤の着物など、色彩も豊かである。
藤竜也と松田暎子の演技が本当に素晴らしく魅力的だ。
下手するとギャグかAVになってしまうが、芸術性とエンタメ要素を高めている大島監督は流石だ。多分二度とはみないが。