愛のコリーダ 修復版の作品情報・感想・評価

愛のコリーダ 修復版1976年製作の映画)

L'Empire des sens

上映日:2021年04月30日

製作国:

上映時間:108分

ジャンル:

3.7

あらすじ

『愛のコリーダ 修復版』に投稿された感想・評価

映像の色味が好き。
綺麗と思ってしまう色合いや当時の建物、当時の服、食べ物。そこに嫌というほどの生臭さ。
ベッドシーン目当てで見ようとしているなら途中で後悔するだろうね。
眠人

眠人の感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

公開当時、生々しい性描写が話題になった作品。監督は巨匠大島渚。かの有名な阿部定事件が題材となっている。本当は性器にボカシが入っていない無修正版を観たかったけれど、U-NEXTで配信されているはずがなく、やむなくボカシのある修復版を視聴した。

時代は昭和初期。料亭の女中である阿部定(松田瑛子)が料亭の主人で妻帯者の吉蔵(藤竜也)と不倫関係に陥る。愛欲に溺れる二人。この二人、劇中でとにかくセックスしまくる。散らかった部屋も片付けずに明けても暮れてもセックス三昧。定の女性器に挿れた食べ物を吉蔵が食べる、二人のセックスを芸者に見せつける、吉蔵と芸者のセックスを定が眺める、セックスしながら首を締め合う等、プレイの内容もバリエーションに富んでいた。依存関係の極限に陥った二人。首絞めセックスがエスカレートしていく。とうとう定は吉蔵を絞殺し、吉蔵の性器と陰嚢を包丁で切り取ってしまう。正直、ここまでの性描写がある映画を観たことが無かったので面食らってしまった。
本当に生々しい描写が続くけど、官能さはあまり感じなかった。艶やかな着物や絶えず鳴り響く三味線の音が繊細で美しかった。

自宅を出奔してセックス三昧の吉蔵が、中国に出征する軍人の隊列とすれ違うシーンがとても印象に残った。吉蔵は頭を下げ、軍人たちとは全く視線を合わせない。自分と同年代の男たちは戦地に赴くのに、自分は愛人と愛欲に耽っている。そのことに吉蔵はどこか後ろめたさを感じつつも、泥沼に進んでいく戦争にも嫌気が刺していたのではないだろうか。それが吉蔵の刹那的な放蕩生活や破滅願望にも繋がっているのかもしれない。声高に反戦の声を上げられない時代、吉蔵のささやかな抵抗は性生活に溺れることだったのだろうかと感じた。
camuson

camusonの感想・評価

2.0
それはさておき、本作ですが、
テーマがチンポコということもあり、
とんだチンポコ映画になっています(いい意味でも悪い意味でも)。
阿部定事件がモチーフになっています。

最近のしおれた役柄を見慣れていたので、
藤竜也が若くて威勢がいい角刈りで最初は気持ち悪かったのですが、
それにはすぐに慣れて、だんだん可愛くさえ感じてきます。

それと反比例して、主演女優が鬱陶しくなってきます。
これは本当に残念なことで、申し訳なくさえ思うのですが、
ほとんど色気を感じることができませんでした。

しゃべり方が大きいんでしょうかね。
時代劇的女言葉が板に付いてなくて、
すべての台詞が一本調子でべたぁっと間延びしていて、
台詞が動作や感情と完全に分離してしまっているんですよね。
意図してやっているか否かに関わらず、
結果的に、大根演技に見えてしまいます。

その一方で藤竜也が、ほぼ現代語で緩急を付けて、
自然な演技をしているので、余計それが目立ってしまって、
どうしてこんな事になっているのかと、とても気になってしまいました。

映像は海外を意識した日本的なものとなっており、
丁寧につくられていて美しいです。
他のレビューをたくさん読んでなるほど〜!!!と思った。
純粋な愛故なのか狂った愛の末路なのか分からないけど各方面からめちゃめちゃ評価されてるのは理解できそうな気がする。
うみ

うみの感想・評価

4.4
昭和犯罪史好きとしては観たかったやつ。阿部定は最期が謎で好きです。彼女はだめな女なんかじゃないです。
Cezan

Cezanの感想・評価

4.4
愛のコリーダが阿部定の話だって観てから知った。恥ずかしい。

愛が溢れてしまってその行方がどうしようも無くなってゆく様が物凄く切なかった。

視野狭窄にならざるを得ない時代背景と物語が、ほぼヨリの世界だけのクライマックスで綺麗に表現されていた。

肉しか映ってないのに精神の話。
寺嶋文

寺嶋文の感想・評価

5.0
鑑賞日:2021/05/25

修復版が劇場公開ということで観に行きました。
久しぶりに映画作品をみて衝撃を受けました。(初見です)

まず「45年前にこれを作ったんですか?」とびっくり。
さらに「本物ですか?本番ですか?」にびっくり。
そして「大島渚って凄い監督なんだ」とびっくり。

刺激的なシーンが多いですが、吉蔵に対する呼び方や、琴または尺八による音楽で不安定な2人の変化を表していたりと、結末に向かう定の気持ちが描かれています。

「コリーダ」はスペイン語の「闘牛」を意味しているそうです。
闘牛士である吉蔵に、剣で刺されて血を流しながらも徐々に興奮して挑んでいく闘牛(定)のようにみえました。

単行本が摘発された「愛のコリーダ裁判」は、「芸術か猥褻か」ではなく「猥褻なぜ悪い」で戦ったという大島渚監督。

猥褻も映画の表現方法のひとつである。
この「愛のコリーダ」を観て理解しました。
lemon82

lemon82の感想・評価

4.5
愛に果てはあるのか。

人を好きになって、お互い好きあい、SEXをしたとしても、好きという気持ちがそこで終わりで、そこで満たされるという事が無いということに絶望する。

そんな人は少なくは無いんじゃないか。

この映画に出てくる阿部定は実在の人物であり、実在の阿部定事件を元にしている。

またこの映画のSEXシーンは本番行為なのだけれど、初体験の相手に半ばレイプのような性行為をされたり、その後も自分の性を切り売りしていた定は、性によってしか自分の価値を見い出せて来なかった典型的な性依存症であり、そのような定の性への異常なまでの執着を表現するのに、この生々しさはとても重要だと思えるし、またそれなのに何故かAVのような陳腐なエロさではなく、芸術的なまでに、身体を重ねても1つになりきれない男女の切なさが浮き彫りにされていて悲しい。

特に定と吉さんの首絞めシーンが切なく、このような特殊なプレイのシーンでここまで心が痛くなったことは無いんじゃないか、と思うくらい、美しいシーンだと思った。

吉さんの底知れない優しい愛と定の底知れない愛への渇望が、交わった時に生まれた悲劇。

20代前半の頃観て、最後何故か号泣して涙が止まらなかったけど、また見直すと、定と吉両方の気持ちが何故か理解出来てしまい、相変わらず切なすぎた。

そして、昔見た時より、定エロくて綺麗だなぁ。と純粋に思った。
TAKA

TAKAの感想・評価

4.3
2021-102-098-004
2021.6.12 新宿武蔵野館 Scr.3
短文感想


定が可愛い女に感じられました

そして
2人が少しだけ羨ましいかも
こんなにも好きになれる相手と出逢えて

少しだけです
ちょん○られるの嫌だけど(笑)
日本初のハードコアポルノ。

ポルノは多かれ少なかれ女性の女性性あるいは人間性を蹂躙するものという認識から、鑑賞する気が起こらなかったが、嫌になったら途中でやめればいいと思って観る事にした。

ポルノとは、性的な描写によって観る者の情欲を掻き立てるもの、あるいは欲情させるもの、と認識している。その意味でいうなら本作はポルノではない。

性によってしか生を実感できない(男)女の話。
結局は性によってさえ生を本当には実感できず、死(殺)にいたる。もちろんそこにも満足はない(死んだ吉が満足したかどうかは確認しようがない)。

性は本来、人間の命を繋いでいくものだ。しかし定は性によって人間をモノに還元してしまった。『危険な情事』(1987)が描いたヤバい女よりも、貞が遥かにヤバいのは、吉の生殖器を切り取るという猟奇的な行動に出たからではなく、吉をモノに還元してしまったという点においてである。
本作の恐ろしさは、人間も所詮物体であるということを一つの実話を通して見せたことだ。不倫ホラーのもうひとつの形という事になるかも知れない。

鑑賞後、すぐにシャワーを浴びたくなった。“死んだネズミのような匂い“が自分に移ってきてはいまいかと思ったからだ。

(過去の鑑賞メモ)
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