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三姉妹のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

三姉妹(2020年製作の映画)
3.5
ムン・ソリが主演・製作を兼任し、イ・スンウォン(キム・ソニョンの公私にわたるパートナー)が脚本と監督を担当したヒューマン・ドラマ。
原題: 세자매 、(英)Three Sisters (2020)

韓国・ソウルに暮らす三姉妹の物語。
冒頭、9歳の次女が5歳の三女の手を引きながら裸足でどこかに向かって走っていくモノクロの短い映像でスタート。
その後、現在同じソウルに暮らしながらめったに会うことのない三姉妹の日常が描かれ、それぞれに問題を抱えていることが浮き彫りになる。
終盤、三姉妹が久しぶりに揃って年老いた父の誕生日に集まる場面で、彼女たちは幼い頃受けた心の傷と対峙することに…。

~三姉妹~
①長女ヒスク(キム・ソニョン):閑古鳥が鳴く花屋を経営。元夫から借金返済の金をせびられる。癌を患っている。パンクのボーカルに熱をあげる反抗期の娘ボミ(キム・ガヒ)から疎まれる。
②次女ミヨン(ムン・ソリ):教会に通い聖歌隊の指揮者も務める熱心な信徒。大学教授である夫(チョ・ハンチョル)は若いヒョジョン((イム・ヘヨン)と不倫。子ども2人。娘に厳しくあたる。妹から頻繁に電話がかかる。
③三女ミオク(チャン・ユンジュ):筆の進まない劇作家。食品卸売業を営む面倒見のよい夫(ヒョン・ボンシク)と夫の連れ子である中学生の息子ソンウン(チャン・デウン)と3人暮らし。酒浸りで、四六時中酔っぱらって、すぐ声を荒げる。

"家父長社会"
"酒"
"家庭内暴力"
"宗教"

公式サイトでのキャッチフレーズ、長女は“大丈夫なフリ”、次女は“完璧なフリ”、三女は“酔っていないフリ”とあるが、的確な表現でしょうか?
物語の背景にあるのは、韓国社会が抱える様々な問題。
自分を卑下し謝ってばかりで娘からも嫌われる貧相なキム・ソニョン、神への信仰心は厚いが心の弾力性を失っていくムン・ソリ、アルコール依存でまともな社会生活や母親役が出来ないチャン・ユンジュ、三人の女優の演技に注目。
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