八瀬

三姉妹の八瀬のレビュー・感想・評価

三姉妹(2020年製作の映画)
3.7
三姉妹のどうにもならない生活を並行して流しつつ、記憶を紐解くように幼い頃の出来事が徐々に思い出されていく。日常の息苦しさの積み重ね×三人分。思っていたより見ていてつらかった。
みんなそれぞれに問題を抱えていて、自身にも問題があって、もがいているけど全然良い方向に向かわないのが苦しい。それが爆発する最後の修羅場が本当にめちゃくちゃで、みんながみんな壊れていて痛々しかった。みんなが傷つけられた。時間が経っても、それは癒えるどころかしみのように心にこびりついてそれぞれの人生に影響を与えていた。その破綻を「大丈夫なふり」をしてやり過ごしてきた姉妹たち。全然大丈夫じゃないのに。

ずっとつらいのに、最後まで引き込まれて見てしまう吸引力と演技力が素晴らしかった。

生きていく上でまだまだ痛みや苦しいことはあるだろうけど、爆発した後に少しだけ明るい方へ向かい始めるラストが良い。
駄目だなあと呆れたりいらつくこともあるけれど、甘えたり頼ったり共に乗り越えていくことも出来る姉妹という距離感。

関係ないけどこのタイトルで「弟いるんだ」というのにはびっくりした。
八瀬

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