ピロシキ

アメリカン・ユートピアのピロシキのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
4.8
デイヴィッド・バーン本人は自分自身のことを「こんな"中年の白人男性"を」と言った。そんな中年の白人男性アーティストのライブパフォーマンスを映画にしたのは、スパイク・リーだった。それを証明するかのように、終盤ジャネール・モネイのカバー曲では、スパイク・リーらしい生々しい怒りがむき出しにされていた。

さぞかし一流のエンターテインメントなのだろうと想定はしていたけど、まさかこんなにもエンターテインされるとは本当に想定外で、冒頭から何度もげろげろに泣いてしまった。"普段使わない脳のセクション"まで、バッチバチに活性化された気がする。生でライブを観るどころか、映画館に行ける機会すらもけっして当たり前ではなくなってしまった今だからこそ、格別に沁みる感動があった。

人間誰しも、間違うことはある。だからこそ、間違いを認め、そこから学ばなければ。人間から音楽を奪うのは、人間であってはならない。人間から映画を奪うのは、人間であってはならない。
ピロシキ

ピロシキ