にゃーめん

アクアマン/失われた王国のにゃーめんのネタバレレビュー・内容・結末

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

今の時代、スーパーヒーローは地球を救うのはもちろんで、その上育児・子育てもしっかりしないと評価されない時代になってきたのだと「アクアマン」で実感することになろうとは。

MCUでは「ソー ラブ&サンダー」で雷神ソーが(実子ではないが)子育てに悪戦苦闘するという話を描いていたが、
DCもそれに追随する形で、子持ちのスーパーヒーローを描いた今作。

冒頭の始まりがアーサーとメラの子育て奮闘記で始まり、海ではアトランティス王としての務めを果たしながら、陸では育児に疲弊する父親としての「アクアマン」を描いていて今までのDCシリーズとは大きく毛色が異なる。

シングルファーザーとして、アーサー(ジェイソン・モモア)を育ててきた、トム(テムエラ・モリソン)もすっかり孫にデレデレのおじいちゃんになっていて完全に好好爺の体である。

※アクアマン一家の家系は複雑なので、家系図を観てから本作を観ると良いかも。
(兄アーサーと弟オームは異父兄弟)

今回の筋は、前作のヴィランである"ブラックマンタ"がカムバックするという何のヒネりもない話だが、実は地球を温暖化させるヴィランということで、単なる復讐劇から無理やり地球規模の話に持って行ったのが強引で笑ってしまった。

(地球をすさまじい速さで温暖化するような高エネルギー物質をあんなザルすぎる警備で守っているアトランティス王国大丈夫か…。)

MCUとどうしても比較されてしまう今作だが、もうどう思われてもいいのか、
完全にソーとロキを彷彿とさせる、兄弟バディものに舵を切っており、劇中でもアーサーが弟オームを"ロキ"に例えるなど、自由すぎる展開。

海だけではなく、砂漠や熱帯ジャングルでの冒険アクションもありで、飽きさせない工夫はあるが、ギャグに関してはイマイチ滑ってる感が拭えず…。
(昆虫食のくだりは笑うどころかかなり引いてしまった)

MCUのソーとロキの兄弟の愛憎劇には遠く及ばず、なんとも生ぬるい兄弟愛の描写のまま幕引きとなり物足りなさを感じた。

しかし、ジェイソン・モモアのイクメン脳筋キャラを存分に堪能出来るという意味では満点ではなかろうか。

その他、特筆すべき点としては、髪が水流になびく海中パートはVFX技術の再頂点まで到達していると思われ、注視してしまった。
長髪・髭面のアーサーの顔面が一番映えるのは海中であると改めて感じた。
(「リトルマーメイド」の海中表現がイマイチだっただけに)

スーパーヒーロー疲れにより、どの作品を観ても似たり寄ったりで、満足度が低くなってしまっているため、ジェームス・ガン体制の新DCU作品に俄然期待が高まってしまう。

補足:
昆布で巻かれたパトリック・ウィルソンが見れるのは本作だけ!😂
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