けーはち

クライ・マッチョのけーはちのレビュー・感想・評価

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)
3.3
メキシコに逃げた元妻から息子を取り戻すように昔のよしみで牧場主に頼まれた老カウボーイの冒険、みたいな話なのにやたらと牧歌的。老人+少年+鶏というチームの画が寓話的で、マフィアを顎で使う悪女からの逃避行にしては寄り道も長閑で多少の乱闘シーンはあるが血の一滴も流さぬ作風が理由か。ヨボヨボながら相変わらず女・子供のみならず動物にまで好かれる監督主演イーストウッドだが、彼が託された闘鶏(チキン)の名前が「マッチョ」なのは、男らしさ、強さの象徴的存在だった彼が新しい時代の多様な強さに敬意を払うようで、とても清々しい。