にく

レミニセンスのにくのレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
1.3
L・ジョイ『レミニセンス』(21)。『ウエストワールド』にはあった女性による男性社会への復讐(「人形の家」からの脱出)という主題が消滅、中年白人男を慰撫するだけの凡庸なノワールとなった。水のイメージ(水に沈む街、水に満ちた追想装置、水槽)を的確に繋げていない。監督が俳優に溺れただけ。
 記憶世界に溺れる『インセプション』(10)や閉じた円環を作る『TENET』(20)の(つまり兄ノーランの)劣化版にしか見えず。かといってもしかしたら参照しているかも知れぬA・レネの『去年マリエンバートで』(61)の様に記憶の「不確かさ」を問うでもない。記憶を再現する3D映像もご都合主義的で魅力なし。
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