Wata

レミニセンスのWataのレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
3.8
"幸せの中で終わる物語を"


過去を振り切り未来に生きる者。
未来を見限り過去に生きる者。

SFノワールなのだけど、それぞれの生き方を優しく包み込んで肯定してくれる温かい物語でした!



SF要素はあくまでも味付けに過ぎなくて、でも主人公の独白の多い主観的な物語なので、サスペンスというのもちょっと違うし、メインはラブストーリーかな?

SF要素はビジュアル面ですごくいい仕事してました。

冒頭の水没した都市を映した長回しはディストピアの世界観完璧だったし、水の表現も多彩で、全編通してビジュアル強かったです!


過去と記憶。未来と願い。
記憶は点で見れば完成している。



記憶を思い出す時に、三人称視点で客観的にその時の映像が浮かぶのって、確かに不思議ですよね!

あくまで自分は一人称視点の経験しかしていないはずなのに。🤔

もちろん、その当時の状況を整理しながら思い出すために客観性が強まる、という原因もあるようなのですが、
面白いのが、どうやら現在の自己との整合性によって記憶の視点が変わるとのこと。

現在の自己の精神や思考に重ねやすい状況であれば、一人称視点。
現在の自己との整合性が低い場合は三人称視点になる傾向があるらしいです。

そう思うと更に、記憶の映像と現実が重なり合ったシーンが素敵に思えてくる...!


塔の上での二人のやり取りも素敵でした...!✨



色々な作品のオマージュを強く感じたし、ヒュージャックマンの印象強いからか、レミニセンスの機械に浸かるところは完全にウルバリン。笑

そして、勘違いしていたのですがジョナサン・ノーラン脚本じゃなかった…!
監督・脚本もリサ・ジョイ。

売るためにはしょうがないのかもしれないけれど、こんなに印象捻じ曲げてインセプションに寄せなくてもいいのにな〜。

映画自体は悪くないのに、プロモーションが作品の評価を下げてしまってますよね。


思っていた雰囲気とは大きく違ったけれど、素敵な気持ちにさせてくれる作品でした!
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