少しずつ明かされる形の物語を観る楽しさと、名台詞、印象的で何度も観たくなるような風景の見せ方とカメラワークが素晴らしい。
中でも唸ったのがアクションシーン。カメラを振り回し過ぎず、起こっていることが適度に把握し易いので、観る側は傍観とは違う没入感を得られる。
個人的に気に入っているのは、水没したコンサートホールにピアノと共に2人が沈む(或いは潜る)シーン。
コンサートホールの天井は10〜20mある。自分は潜水士だが、素人が素潜りで10m潜ると戻りの空気が足りずブラックアウトすることが予想される。
映画だと解っているが、あの水深で暴れ失神するシーンはリアルだった。
(着衣での水中アクションは相当な体力が。常人ならまず無理。)
記憶を行き来する物語でアクションシーンのリアルさが、そのコントラストとなり作品の完成度を上げる。
(都合により映画館で観られなかったが、これは足を運んで観たかった。)