浪川リオン

レミニセンスの浪川リオンのネタバレレビュー・内容・結末

レミニセンス(2021年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます


"思い出は…… 逃げ込む場所じゃない!!!"
(MEMORIES ~彼女の思い出~)


ヒュー・ジャックマン演じる主人公ニックの、仕事に対するプロ意識の低さにマジでイライラしながら見た。と、同時に脚本のレベルの低さにも。
もっとさり気なく、情報入手の為に必要な事として"潜入相手"の記憶がメイと関わる事に向いていくよう誘導する…… そんな台詞回しにできなかったもんだろうか。

最後まで見ても、全てをほっぽり出してまで追いたくなるようなヒロインの魅力がちゃんと描かれていたのか少し疑問に思った。なので主人公の行動にハラハラというよりは、イライラしてしまうんだと思う。
もう少し配慮ある大人として描写する必要があったと感じる。

そして何より最後、ニックはちゃんとメイとの記憶の世界にのみ生きるのではなく、ちゃんと一緒に過ごした思い出を、そして新しい思い出はもう作られないという悲しみを抱えて、前を向いて現実の世界と対峙して生きていって欲しかった。

今、このレビューを書いている私と、読んでいる我々の過ごすこの世界には、映画に登場するような記憶の世界でだけ過ごせるような機械は存在しない。映画というある種の現実逃避が終わればリアル世界の中で過ごさなければならないし、週末や休日が終われば憂鬱な月曜日やウィークデーがやってくる。それらの"現実"から逃避したまま生きる事は不可能だ。


なのでせめて、映画(現実逃避)が終わる時は前向きな気持ちや感動を持ち帰りたい。『記憶』という物が大事なテーマになっているこの映画からは、特にそうであって欲しかった。主人公と一緒に、現実に向かってちゃんと踏み出す勇気を得たかった。

基本的に、私はドラマが主軸の映画に対して『前向きなメッセージ』が込められている事を勝手に期待してしまっている。それ故の肩すかしを一人勝手食っているだけなのかもしれないが、この映画の後味は本当に褒められたもんではないというのが私の感想です。

「記憶は香水と同じで、少量が良い」と言っていたお前はどこにいったんだよ。

あ、ニックが記憶再生装置を使用する事を見越してのキスシーンはなかなか感動いたしました。どことなく、新海誠とか細田守等のジャパニメーション的要素もあるように感じた。いや、時間軸を跨いでのラブシーンってむしろPC用18禁ゲームの方に多いか…?? あんまり詳しくないが。

水没した都市世界は『インセプション』の虚無世界を彷彿とさせたが、美しく見応えがあって良かった。

パンチラ回数:0回

(女性監督という事で、これみよがしなヌード等のサービス場面は無い。下着姿もなんか自然に撮られてる感じだし、その割に肌やくびれなどはさり気なく美しく映るように撮られていたように思った。記憶再生装置を使う場面の中で、地主の愛人のヒップを後ろから見たカットが途中あるが、この愛人の骨盤が素晴らしい広さを持つ超安産形の腰つきであり、「そら浮気というインモラルな行為と知りつつも跡継ぎを残したくもなりますわ!」という感想を抱かせるのに十分過ぎるほどだった。……ところでワタクシ、何故か最近、"処女"や"少女"という属性よりも"人妻"や"経産婦"という属性にエロスを感じつつあり……(以下、聞くに耐えない性癖語りなので自動的に省略されました))