あさのひかり

マイ・ダディのあさのひかりのレビュー・感想・評価

マイ・ダディ(2021年製作の映画)
3.5
ムロさんのお父さんというか牧師さんはすごく説得力あった。優しくて人が良いだけじゃなくて、キリスト教の信仰を後ろ立てにした信念もある揺らがない強い優しさ。だから色んな問題がひとつずつ判明していっても、娘への愛は揺るがないのも納得。

娘さんのキャラとその周囲への対応は少し不満。思春期の少女故の敏感さで、家族の中の問題を敏感に感じれたことは分かるし、長く生きられないかもしれない不安でああなるのもまあ分かるけど、その危うさで危険な目にあってるのに周りも放置し過ぎだし、したいこともそれ?ってのはちょっと受け付けなかった。特にキリスト教の教えって意外とそういうの厳しくない?とか思ったり。

あと、この家族が抱えるモヤモヤを全て出しきるまでの話の流れは、自然で切実に心に響いただけに、それを解決する流れが不自然に感じられて、ああここで話片付けるんですね、みたいに感じてしまったのも残念。そのせいで、いい話ではあるけれど、いい話を作りました感を感じてしまい、結局話自体に心は動かなかった。ただ、ムロさん骨のある役も出来ていい役者さんだな、っていうのだけが私にとっての収穫。

引っ越しで最近遠くなってしまった映画館にオアシスの映画目的で久しぶりに来て、無料券があったから観た(ライブ映画なので無料券は使えない)、前の映画が私には良すぎてこちらは分が悪いかもしれない、そんな感じの感想。
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