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SNS-少女たちの10日間-のyksijokiのレビュー・感想・評価

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)
4.2
このクオリティでドキュメンタリーを作りきった企画力とテーマが素晴らしくて刺激的で本当にリアリティが強い。全体的に本当に気持ち悪くて男どもの欲望が溢れ出ていて本当に「オエッ」ていう感じだった。出てくる男どもの異常性がむき出しで表現されていて全然素晴らしくないけど素晴らしかった。顔にモザイクがかかっているんだけどモザイクがかかっていることで本当に異常者に見えるというか気持ち悪さが増幅していた。

少女役の女優さん3人の忍耐力と演技力というかアドリブもよかったし、冒頭に流れるオーディションシーンでのほぼ8割型がSNS上でセクハラまがいの被害を受けているという実インタビューシーンも言葉だけなのに現実味が一気に強まって背筋が伸びる感覚がした。

チャットをした上で実際に会うところまで行くというその攻め込み方とビデオ通話も含めてリスクを冒して攻め込んで行くというところはこの問題に対するジャーナリズム精神を感じた。そしてあくまでも実験と割り切らずに子供部屋の再現性やヌード写真を用意するなど細かいこだわりもよかった。写真をばらまく行動はちょっとやり過ぎかもとは思いつつもまぁそこは男側が全面的に悪いよねという感じ。

性的な行動を脅しに行くところもだが立場や男性であることの優位性や金を餌にして自らの欲望だけを満たそうとする姿は本当にどうしようもなくて気持ち悪いし本当にこんな輩がウジャウジャいるのかなというのを思うと本当に吐きそうになる。チェコだけでなく日本にもこんなやつごまんといるのだろうか…。

局部を平気で見せてくるのとかそういう動画を平気で送りつけてくるのとか会った時の誘い文句とか何から何まで全部キモいしエグかったな。モザイクがかかっているけど本当に吐きそうだった。

実際の子供部屋から本人の思い出の品をセットに持ってきたりとか本人のパーソナルな設定はそのままで演じさせたりとかそういう細かいディレクションがさすがという感じもした。スタッフ側があまりにも男たちが酷すぎることに対して唖然とした表情をしてしまうところもなかなか良かった。ここまでになるとは想定せず割と軽いノリで作ることを決めたのかなという感じがあった。

スカイプ音がトラウマになるし最後にあの音を使った曲がエンドロールで流れるのもびびった。芸が細かい。
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