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赤い光点のarchのレビュー・感想・評価

赤い光点(2021年製作の映画)
3.4
雪原でオーロラを見ようと北部に来た夫婦は謎のレーザーポインターにより、旅行は突然謎の刺客からなサバイバルとなっていく。

本作からは主人公たちに同情心を全く抱かせない徹底ぶりを感じさせられた。
まず、彼らが車で旅行先に着くまでの下りは、ある種差別や地方の偏見による田舎サスペンス系を匂わせてくる訳だが、そこから少しずつ夫婦の行動に対し、疑念を抱かせるように展開していく。差別主義者と呼ばれた彼ら二人組が本当に車に落書きをしたのかという根本的な部分が曖昧にも関わらず、報復として車に傷をつける。またここに来るまでにも車をぶつけても知らんぷりで逃げたりする。こうした行動によって主人公夫婦がそもそも、正しいのか。という疑念を抱かせてくる。

話が進むと次第に分かる彼らの起こした許されない行いは詳らかにされ、そして同時に先程までの事故を起こしても無視する行為や、誰かに咎められる、責められることによる過剰な反応等に合点がいってしまうのだ。
ここまで徹底して同情させない、そして救いようのないカルマを連鎖させる作品も久しぶりである。秀逸とまでは言わないが良い作品だと思います。
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