うにたべたい

大怪獣ガメラのうにたべたいのレビュー・感想・評価

大怪獣ガメラ(1965年製作の映画)
3.9
日本を代表する怪獣のうちの1つ、ガメラシリーズの1作目。
大映はガメラ以前にも「宇宙人東京に現わる」とか(その筋の人には)有名な特撮作品を作っていまして、その大映が東宝に対抗して作成した怪獣映画が本作です。

以降ガメラは人気シリーズとして続くわけですが、ガメラの造形は1作目から完成されていて、作品によって結構フォルムが変わるゴジラと違いシリーズを通してほとんど変化がありません。
手足が短くて巨体、亀という鈍臭い生き物をモデルにしていますが、イケメンで頼りがいがあるガメラのフォルムは1作目で完璧といっていいと思います。
撮影の中で没になった「ネズラ」も見てみたかったですが、やっぱりこれだけ人気になったのは、ガメラだからこそかと思いました。

本作は特撮も凄かったです。
北極の氷の中から復活し、ビルをなぎ倒し、コンビナートを襲う姿は、手のつけられない暴れん坊という印象をつけるに十分でした。
火を噴くシーンも実際に口からプロパンガスを噴出して火をつけたというので、さすがリアル。
人類の様々な対ガメラ作戦をものともしないガメラの最後の落とし所としては良かったかと思います。
最後のシーンだけは何かやっつけ感があったような気もしました。

特撮が凄く、ガメラのキャラクターも良いのですが、本作はストーリーがいまいちだったかなと思いました。
展開が唐突で説明不足なところがあるんですよね。序盤ガメラが復活する切っ掛けとなった核を詰んだ国籍不明機も最後まで「謎の戦闘機」でしたし、ガメラが少年を助けるシーンがあるのですが、なぜ助けたか説明が全くないです。
そしてラストは少年的にはあれでいいのか。

ストーリー、というよりガメラを見るための作品だと思いました。