このレビューはネタバレを含みます
1968年の東大紛争のニュース映像を挟み、東大入試中止に将来をどうすべきかと悩む日比谷高校三年生の庄司薫君の日常を描いた作品。
愛犬の死、思いがけぬ怪我、性への渇望、将来の自分の在り方、エリート街道を歩む兄との対比、ガールフレンドとのぎこちなさ、学生運動と
様々な問題が薫君を取り囲む
足の指の怪我を庇うように黒いゴム長靴を履いて銀座の町を歩く薫君
すれ違う人と肩がぶつかり人混みに巻き込まれそうになったりで
雑踏の中の彼は何処に向かうべきかと険しい目をしてる
そんな時に薫君にぶつかる7歳くらいの女の子
痛がる薫君を気づかう少女と会話するうちに
凝り固まっていた薫君の心がしだいにほぐれていく
そして「赤ずきん」の絵本を買いにきた少女の為に絵本を選ぶ薫君
本屋を出て別々の方角に別れる少女と薫君
「気をつけて」と少女に声かける薫君
「あなたも気をつけて」と返す少女
この少女とのシーンはたまらなく好き。
いつまでも心の片隅に置いておきたい映画だな