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CUBE 一度入ったら、最後のtackyのレビュー・感想・評価

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)
3.0
原作映画の大ファンの私からすると、悲喜こもごもの内容であった。

原作設定を変えず、見事に再現したCUBEの造形。ほぽ原作の登場人物を踏襲した手法は評価できるし、
俳優陣の演技力が良かったので、単調になりがちなワンシチュエーションの物語が、上手く機能していた。

ここから悲の方で、
トラップのワンパターン化。
どうやって死ぬかが大事なのに、インパクトに欠ける殺戮方法。などなどあるが、
最大のダメな点が三つ。

一つ、原作にはあった、菅田将暉の計算を上回る神的な存在が居ない事。
てっきり、少年役の彼が、凄い人物だと思ったら、ただの足を引っ張る人物だった。

二つ、原作でも出てきた主催者側の人間のオチ。これなら、原作の続編の凡作と言われた「キューブ3」の主催者側の人物の設定の方が、いくぶんかマシである。

そしてこれが一番ダメな所で、
三つ、菅田将暉の回想シーンがまるまる要らない。原作のように、それぞれの登場人物の過去など関係ない、何かわからない怖さが良かったのに、台無しである。
よって、吉田鋼太郎と岡田将生の言い合いにはうんざりした。もっと生き抜く為に、喧嘩しなさいよ。

それでも、この時代にこの名作を再制作しようとした事に、少し甘く点数をつけた。
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