ししまる

パーフェクト・ケアのししまるのレビュー・感想・評価

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)
3.7
裁判所の信頼も厚い法定後見人のマーラの正体は、合法的に高齢者の資産を搾り取る悪徳後見人で、マーラは資産家の老女ジェニファーを次の獲物に定める。
強い詐欺師女が上り詰める話。胸くそランキングかなり上位。極悪後見人と医師、介護施設が結託し、裁判所は間抜けで、警察も無能ときた。伏線も回収され、よくできたストーリーだけど、精神衛生に良くない。
被後見の申立権者の範囲が広く、手続きに本人が関与せず、裁判所が監督機能を果たしていないのが本作の背景だが、実際に起きてもおかしくなさそう。
✅メモ
日本でも、認知症等によって判断能力が欠けているのが通常の状態にある場合、配偶者や四親等内の親族等の申立てによって、家庭裁判所が後見開始の審判を行い、成年後見人を選任する制度がある。
最高裁事務総局家庭局の実情調査によると、後見人等による不正は2014年が831件計約56億7千万円、23年は184件計約7億円と減少傾向にある。親族が後見人である不正が圧倒的に多く「親のお金だから」「自分の生活費として自由に使ってもいいと思った」など後見人としての責任や義務についての知識不足が原因。
弁護士や司法書士ら職業後見人による不正もあり、23年は23件計約2億7千万円。昨年12月には仙台地裁で、成年後見人に選任された立場を悪用し、4人から計2062万円以上を引き出したとして元司法書士が懲役3年6月の判決を受けた。
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