はんぺん

14歳の栞のはんぺんのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.3
私が思っている以上に14歳は大人で、彼らが思っている以上に14歳は子どもでした。
誰もが通ったことのある道で、もちろん今と昔で在り方は違うだろうけども、あの時自分が感じていたこととか、分からなかった他のクラスメイトの感情を思い出したり覗き見たりすることができて、ワクワクしたし、どこか恥ずかしかったです。
掃除のときに椅子をひっくり返して机の上にあげたり、大食缶がほぼバケツだったり、なにか映像を見るときに席替えではないけどほんの一瞬だけ見やすい位置に移動してよかったり。懐かしく、あの頃の自分と重ね合わせ、感動したわけでもないのになぜか涙が流れてきました。
この作品を観たあとは、どうしようもなく教師に憧れました。彼らの成長を見届けられて、もしかしたら、成長できずに苦しんでいるかもしれないけれども、そんな足掻いて・もがいての姿も見届けられて。素敵な職業です。
この映画は、あまりにも素すぎて、撮影者が上手いのか、彼らが気を遣わないのか。普通授業参観で親が来ると背筋が伸びるように、こんなにありのままの姿を捉えられないと思います。もしかしたら仮面を被っていた子もいたのかもしれませんが、そこに関しては、それもまた、この作品の深みだなと思います。
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