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14歳の栞のkuroのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.5
コピーの
「あの頃、一度も話さなかったあの人は、何を考えていたんだろう」
が観終わった後で、より一層よく感じる。

あの時見えてる世界ってものすごく狭いんだけど、それに気がつくのは後から振り返っての結果論。
当時は本当に学校が世界の全てみたいな気分になってたよなって。
学校以外で自分の居場所を見つけることもあるのに。


「子供から人生をやり直したい」は笑っちゃうけど、当時は本気で思ってたよなーとか。
「ロボットクリエイターになるにはもう遅いんです」「看護師よりも医者だと時間がかかるから」とか当時の時間感覚って全然今と違うよね。

道家を演じる。リセット癖がある。達観している風。愚直で純朴。
14歳の時点での個性って十分にあって、大人になっても結局一緒と思った。

あと、距離感が絶妙でよかった。
この作品の企画自体は思いつきそうだけど、
本気で実現する時にゲロ吐くほどしんどかっと思う。
めっちゃ丁寧に作ってるんだなと思った。

教師の熱い振る舞いも、感動的にも取れるし、スベってるようにも取れる。
そこも視聴者に委ねますというニュートラルな距離感を徹底しているように思えた。

私は「ややスベってんな」という生徒目線と
「生徒は自身の尊さを理解してないから、俺が泣いちゃってるけど、君たちには今しかない不安定な時期を自信を持って乗り越えて欲しい!伝われ!」という先生側にも移入できた。そこが自分にびっくりした。(基本的に教師が嫌いだったので)



何故か栞という語感に桜を感じる🌸
大人の自分と一番違うことは、「終わりまでの時間が確実にわかっていること」そんなことって大人になるとなかなかないぞ☝️

結局、運動でも芸術でも一生懸命な姿は男女問わず美しくて尊いなと思った。
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