2025(91)
普段ドキュメンタリー作品には点数をつけないスタンスなんだけど、あまりにも素晴らしい作品だったので、今回は点数をつけざるを得なかった。
配信・円盤化の予定がない作品ということで、もう観られないのかと半ば諦め気味だったがゆえに、今回こうして劇場での再上映を鑑賞する機会に恵まれて本当に嬉しく思う。
同じく竹林亮監督のドキュメンタリー映画『大きな家』は以前に鑑賞済みで、そちらも素晴らしかった。
『大きな家』は施設で育った子ども達に迫った作品で、そのような現状の子どもたちを理解することはあっても、実際に僕自身は施設で育っていないので、共感することはなかなか難しい側面もある。
しかし、本作『14歳の栞』は、誰もが経験する14歳の中学二年生の姿を捉えている。
スクリーンで我々が観る少年少女の中には、かつての自分自身が潜んでおり、彼らが抱える悩みや心情に絶対に共感できる。
鑑賞中、自分はどんな14歳だったかふと考えたが、彼らと同じように何度も悩みながらも、14歳という子どもでも大人でもない時間をきっと精一杯生きていたと思う。
部活が嫌でたまにサボったり、学年一位を目指して勉強に明け暮れていたり、甘酸っぱい恋をしたり、休み時間に友達と戯れあったりしていたあの頃を思い出した。