ブラックユーモアホフマン

マンディンゴ デジタルリマスター版のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

4.7
男性性とコンプレックスの話だ。

黒人奴隷の実態を描いた暗黒歴史ドラマでも当然あるが、描かれている差別の構造は大変普遍的なものであり、昔のアメリカの話とて現代の日本人たる私にも全く他人事ではない話なのだった。

『ジャンゴ 繋がれざる者』の影響元として近年は広く知られた作品だけど、個人的には『それでも夜は明ける』や『ゲット・アウト』を強く想起した。

それとむしろ、オリジナルのジャンゴ、『続・荒野の用心棒』を想起もした。
あのジャンゴ(フランコ・ネロ)はシンプルにヒーローとして描かれているけど、実際にはこの映画の主人公に近いパーソナリティなんじゃないかという気がしたりして。

ミソジニー、レイシズムの描き方は、ジェーン・カンピオン『ピアノ・レッスン』も思い出した。あの映画のサム・ニールを主人公にしたような話。

鏡を使った構図の作り方が印象的。

【一番好きなシーン】
・男の子が、リウマチがうつったフリをするところ。
・読み書きのできる彼が、つかまるところ。