ハードなコメディ映画と見せかけて、
実は中身は映画製作現場のパロディ。
本作は戦争映画のパロディであり、
『ランボー』、『地獄の黙示録』、
『プラトーン』などなどを引用し、
本作は戦争映画のパロディを構築。
主演ダグ・スピードマンは本作で復活を図る。
『スコーチャー』でアクションスターになり、
続編を6つも製作して評価を順調に落として、
『チトリンとデュード』のバディ・ムービー、
これもまた失敗し、あとがなくなったダグは、
方向転換に『シンプル・ジャック』を作って、
賞を狙う演技派になろうとするも大失敗する。
ダグ・スピードマンを演じるのは、
コメディ俳優のベン・スティラー。
名優カーク・ラザラスは最高の役者で、
5度のアカデミー賞を受賞する演技派、
プライベートではやりたい放題であり、
モデルは恐らくだがラッセル・クロウ。
トビー・マグワイアと共演した問題作、
同性愛映画『悪魔の小路』は気になる。
カーク・ラザラスを演じるのは、
ロバート・ダウニー・Jrです。
コメディ俳優のジェフ・ポートノイは、
ヒット作『ファッティーズ』が有名で、
一人六役をこなした下ネタ全開の俳優。
パロディはエディ・マーフィの主演作、
『ナッティ・プロフェッサー』である。
ジェフ・ポートノイを演じるのは、
コメディ俳優ジャック・ブラック。
人気黒人ラッパー、アルパ・チーノは、
強精飲料とサプリメントのCMで有名。
常に商品のPFを忘れない仕事熱心で、
最後にはトンでもない告白してくれる。
名前がすでにパロディとなっているが、
中身は典型的な黒人ラッパー俳優です。
アルパ・チーノを演じているのは、
ブランドン・T・ジャクソンです。
無名俳優だけど一番頼りになるケヴィン。
知名度皆無でもサバイバルでは役に立ち、
個性が強い俳優たちに振り回されるけど、
ケヴィンを演じるは、
ジェイ・バルチェル。
基本はこの5人でサバイバルをしていきます。
その道中でダグとカークは演技について語る。
そのセリフで挙がった3本の作品に対し、
カークはアカデミー賞を取る要素を明言。
『レインマン』のダスティン・ホフマン。
自閉症だが数学的な知能は並外れていて、
爪楊枝の数を一瞬で数えるなど超人的だ。
『フォレスト・ガンプ』のトム・ハンクス。
知能指数は低く足に矯正器をつけていたが、
実は俊足で卓球の天才で戦争の英雄となる。
『アイ・アム・サム』のショーン・ペン。
7歳の知能を持つ男性を完璧に演じるが、
特別な部分を持たないただの障害者では、
意味がないとカークは一刀両断している。
これは『シンプル・ジャック』と一緒だ。
短いセリフだけど、スゴイ意味を持っていると思う。
確かに『レインマン』と『フォレスト・ガンプ』は、
どちらもアカデミー賞を受賞している名作であって、
カークのセリフはベン・スティラーが思っている事。
そう思わせるようなセリフの内容だったと思います。
そして、最後に紹介するべき人物。
映画の出資者、プロデューサーの、
レス・グロスマンという男である。
最初に鑑賞した時に全然気づかなかった。
まさかトム・クルーズが演じていたとは。
自分の中では過大評価されている俳優で、
最近はアクションを頑張っている印象で、
低身長をごまかす為にスタッフは努力し、
「俺は大物だ」という雰囲気があります。
それでもトム・クルーズは嫌いじゃない。
マシュー・マコノヒーも素晴らしい。
こんな熱血漢のエージェントならば、
俳優は冥利に尽きるだろうと思える。
バカ映画として徹していて、
真面目にバカをやってこそ、
パロディ映画は面白いです。
ただ、純粋なコメディ映画じゃない。
実は演技論を語る側面を持っている。
だからコメディ映画として期待せず、
出演する俳優たちの演技を楽しもう。
RE-70