浅野公喜

トロピック・サンダー/史上最低の作戦の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.6
戦争映画の撮影に来た役者達が本当の戦場に放り込まれてしまうベン・スティラーが主演・監督・脚本を務めた戦争コメディ。ジャック・ブラック演じるコメディアンが一人何役も演じる「ナッティ・プロフェッサー」のパロディ風映画をはじめとする序盤の予告編から笑わせてくれます。

が、その後はくすりと笑う所は有っても大笑い出来る所は思ったより少なく、戦争なので仕方ないにせよグロも有りで好き嫌いが大きく分かれるうえにあんまり笑えない・・という評価も納得。その代わり落ちぶれたベンだけでなくにメソッド演技に固執して黒人化したロバート・ダウニー・Jr、実は人を騙していたニック・ノルティ等メインキャラは様々な悩みや問題を抱えており、彼らが困難を通じて栄光を取り戻したり問題を克服あるいは状況を変化させる王道ストーリーはドラマとして観れば良く出来てる印象で、ベンの役にとっては映画と現実の状況が重なることが使命に目覚めるスイッチとしてちゃんと描かれていたり、思い込みや勘違いは強さにもなるというメッセージをなんとなく読み取れる所も〇。

ゲイと見破られるのを避ける為に過剰に女好き(ストレート)をアピールするあの人種等ハリウッドやセレブあるあるも描きつつ「ドライビングMissデイジー」の撮影で指を失った(そんなわけあるか)といった様々な映画を取り上げた台詞もちらほら有り分かる人にとっては楽しめるネタも。レニー・ハーリンは良い監督だと評価する台詞もネタなのかもしれませんが、ファンの自分にとっては嬉しい所でした。そしてトム・クルーズのあのビジュアルにはびっくり!
浅野公喜

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