みつこ

偶然と想像のみつこのネタバレレビュー・内容・結末

偶然と想像(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

年末から観よう観ようと思ってたのに気がついたら3月に…
Bunkamuraル・シネマで濱口監督祭りが開催されててやっと鑑賞
会話劇の面白さを存分に楽しめる映画だった

序盤のタクシー車内での恋バナ、普通に自分も参加してる気分になって何回か相槌打ちそうになった笑
こういう軽やかなシーンはしっかり演技が活きてて、キャラクターが心情を吐露する重要なシーンやセリフになるほど朗読のような話し方になるのはなにか意図があったのかな?
今思えば、そっちの方が観てる人間の心に届きやすいとかそういう仕掛けがあるのかな、、演技が下手とかでは決して無く、(むしろキャラには深みや共感できる矛盾を強く感じた)違和感も無くとにかく初めて観る表現方法で
ドラマチックな音楽や演出があるわけでも無いこの映画を観て、映画って色んな可能性があるんだなとまた新たに思えたことが、そしてそれを邦画を観て思えたことが嬉しかった

タクシーのシーンしかり、大学教授の瀬川が官能的なシーンを入れた理由を説明するシーンもかなり腑に落ちる内容で、そのときもうんうん頷きながら観てたけど、本当にキャラが触れられそうな、すぐそこにいるような不思議な近さや温度があった


魔法(よりもっと不確か)
のカズくん、女たちに運命左右されすぎててちょっと笑えた。オフィスにいたあの部下、彼女も絶対カズのことほんのり好きだったと思うぞ

扉は開けたままで
朗読しながら扉を閉める彼女の思惑には全く気が付かないまま、そーっと扉を開け直すシーンにニヤける
あとだらだらしたセフレ関係のリアルな描写、お互いへの無遠慮無配慮とかのやだみがリアル。この物語の肝は瀬川の行く末ではないのかも

もう一度
人生って思いもよらないタイミングで救われたりする。あなたは別の人でもよかったのかもしれないけど私はあなたじゃなきゃダメだった や 心が燃えることが無くなってしまったの をまっすぐ伝えるシーン、そんなこと言うのってものすごく勇気がいるように思えるけど、そのまっすぐさに泣けた


人生に起こるままならない出来事も、こうやって物語みたいに見られたら少し楽しくなるのかも
ノベライズ版欲しすぎて、でも無かったからパンフレット購入。ゆっくり読むのが楽しみ
みつこ

みつこ