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偶然と想像のよのネタバレレビュー・内容・結末

偶然と想像(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

第1話、女も男も全員キモいし、会話もずっとキモい。が、喫茶店での三者電撃邂逅からのホン・サンスばりの急旋回ズーム、その後の展開がめちゃくちゃいい。

第2話、教授が女生徒に自身が執筆した小説のテクストを音読される場面。廊下を歩く生徒の往来を感じながら、声量や位置関係が徐々に変化していく緊張感がパラノーマル・アクティビティより怖かった。廊下の後ろにカメラがある状態のショットでは、女生徒の表情は覗けず、教授のポカンとした貌だけが伺えるため、仕掛けてる側が優位かと思うんだけど、以降のショットで、完全に平静とは言いきれないような女生徒の顔が映されるのが、あのシーンの緊張感をさらに高めていた。
「5年後…」の後日談で教授と女生徒のその後を明かしてしまうのは無粋というか、単純に話の面白さとしても手前で切ってくれていい。

第3話、ツァイ・ミンリャン的な冒頭のエスカレーターでのくだりが抜群に素晴らしいんだけど、ラストのやり取りがそれを上回ってきて正直言って困惑している。BluRayを買ってからだいぶ長いこと放置していたんだけど、もっと早く見ればよかったです。
よ