Saako

対峙のSaakoのレビュー・感想・評価

対峙(2021年製作の映画)
4.3
音響効果はほとんどなく(賛美歌の歌声、ピアノの音くらい)ドキュメンタリー映画のように、淡々と4人の会話の場面が続いていくけれど、4人の演技が素晴らしくてずっと引き込まれた。

目線、腕を組む、座る席を変えるなど、言葉以外の体から発せられるメッセージもすごくリアルだった。

リンダから受け取った花をどう持って帰るか、入れる箱がない、新聞紙で包むか、いいや抱えて帰るとまごつく場面は、花は彼女達自身の置き所わからない気持ちのメタファーなのだと思った。
その後、リンダが戻ってきてからの場面がとてもよかった。

他の人のレビューにもあったけれど、この作品はキリスト教の赦しの概念が大きく背景にあると思う。何度も写りこんでくる十字架の像や教会のポスターが意味しているように。

無信仰の私には赦しの概念はあまりわからないけれど、ここまで腹を割って、心の内をありのままにぶつけ合うことでしか前に進めないんだと思った。
(日本人は特に苦手なことだよね)

ラストシーンの外灯がつく=希望の灯りの表現かな。

アメリカはとにかく早く銃のない世界を実現させるべき。。銃さえなければこの4人が絶望することもなかった。
日本は銃がない代わりに表面化しないだけで苦しんでいる十代が沢山いて、彼らのことも助けないといけないけれどね。
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