教会の一室に集まった二組の夫婦。非常に緊張感漂う空気の中、ぽつりぽつりと話し始めると、そこに浮かび上がってくるのは、彼らが銃乱射事件の加害者と被害者の親であるという事実なのであった。
会話が進むにつれて感情のバルブが徐々に開いていき、各々の心中が吐露されていくにつれて彼らが失った息子たちの輪郭が形作られていく。
それは人を殺した者と殺された者という記号ではなく、血の通った1人の人間としての姿である。
映画冒頭で被害者側両親の会話の中に物語の最終的なゴールが提示されていて、会話劇はそこに向かって紆余曲折を経ながら進んでいく。(その赦しという概念はいかにもキリスト教的であるが、個人的にはそれだけが目指すべき正解でもないとは思う)
見ていて体力を使う作品だった。
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/article/kaori-sakagami-taiji
https://miyearnzzlabo.com/archives/96836