このレビューはネタバレを含みます
73分。この長さだけで本作への期待は特別なものだった。蓋を開けてみればやはり凄い作品だった。双子が並んだポスターを見た時から「もしかして」と思っていたけれど、冒頭の各病室への挨拶を捉えた長回しでほぼ確信に至った。この映画の主題は反復によって時間を超えて繋がること「映画についての映画」だった。それが前傾化することなくロマンティックなファンタジーになっているのも粋という他ない。今度はもうこないかもしれないし、さよならを言えないかもしれない。だから約束を守り出来ることを今やるという映画への姿勢まんまの作品でもあり胸を打たれた。同じ場所の別の時間に幾度も上映する映画館という場所がこれほどハマる作品もそうそう無い。
宮崎駿や細田守の影響もありそうだったけど、是枝監督、特に『誰も知らない』『奇跡』のような瞬間もあった。
2010年代に注目された作家の中でもセリーヌ・シアマ監督は特別だなと思った。最高!!!!
