Saori

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノのSaoriのレビュー・感想・評価

3.8
映画の知識も歴史の知識も足りず、深刻な消化不良に陥ってしまった。

仕事の後運動でひと汗かいてから駆けつけた21時からの上映。寝てしまうんじゃないかという不安はある意味裏切られた。

コロナ禍でイライラする人々、矛盾だらけの現実。

私生活の性行為を意図せずネットに公開されてしまった女性教師がアゴマスクで街を歩く姿に自分を重ねて眺めてみる。

保護者たちからの様々な批判に理性的に答える姿は、教師としての能力を十分に感じる。同時に、話し合いが平行線を辿る第三部は、やるせなさや無力感に打ちひしがれて暗く陰る彼女の瞳が胸に迫る。

私が保護者だったら、とも思ってみる。きっとこう思う、こうするだろうという予想はしてみるものの、この映画の前では確かなものなど何もないのだと強く否定されてしまう。

女であること、親であること、性行為を嗜む成人であること、職業人であること、この世界に生きていること全てが重く、果てしなく救いがない気持ちになった。

これ以上現実を直面化したら1歩も動けなくなる‥私にとってはそんな映画でした。
Saori

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