マ

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノのマのレビュー・感想・評価

4.5
カメラは完全に「カメラ」として存在し、通行人は撮られてる事に気づく すると気まずそーに目線を避ける、実際に街中で撮影が行われてたら 自分も同じ行動をとると思う... そのまま街を撮り続け、パート1はじっくり現実と映画の"垣根"を壊す。パート2で作品の"説明"。パート3で説明の実践 "現実"そのものを映して壊す。2020年代において、映画はどのように存在するべきかを考えた結果捻り出されたような映画。

パート3の裁判劇はまさに、オープニングの(本当の)ポルノで観客達が気まずい顔をしてたことを見透かすように、人は如何に"穢れたモノ"を自分の中から都合よく排除し 他人を踏んづけて社会を汚く生き抜こうとするかを突きつける。パート1の様な街の中に、パート3の地獄は当たり前に紛れ込んでいる。やっぱり社会って醜悪過ぎるし、故に現実も醜悪。あまりにも醜悪だから、スクリーンを通してでないとソレを直視できない。そこは説明通りだと思う。それでも終盤の展開は笑い切れなくて、観てると涙目になってくる。

ここまで醜悪ならどうしようもないけど、ルーマニアの民衆のファシズム、ナショナリズム的な地獄には、自然と日本全体の自民党的な、思考よりも 他者への攻撃や排除と盲信 周りの空気を読み、読まない人間を潰すことばかりが優先される地獄を重ねてしまう、本当に絶望的。「コレクティブ」と同時上映して全てを諦めよう。
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