サミー

明け方の若者たちのサミーのレビュー・感想・評価

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
2.6
公開時に鑑賞
レビューを書くのが遅くなってしまいました。
言い訳にはなりませんがら面倒くさかったので…

「感想」
まあまあ、といえる。
でも途中から・彼女と別れてからは、そこからの尺に対して熱量と内容が薄い。
後述するが、本作は実はラブストーリーでないのだからその辺の内容もしっかり描いて欲しかった。

主人公の熱量がないのは仕方ないと思う。それだけ彼女を想っているのだろうと解釈した。
それだけに・とはいっても、彼女へのその思いを「映像として」「行動として」本作には描いて欲しかった。


本作は他人から見れば、どうでもいい話ではあるのですが、このような経験をしたことがある方ならば一定の理解や感情移入は出来るでしょう。
その意味では、あまり深くは描きこまれてはいないものの、本作を製作して公開した・出来た価値はあるといえるでしょう。



「作り」
本作は王道の順路形式で構成されたものなのですが、同時に主人公が後で振り返ってみた・主人公の回想にも似た形式で描かれているともいえます。その様なモノローグが入っていましたので。

明け方の若者たち
このタイトルを見れば顕著です。
本作の核心となるのは題名にあるように、勢いで物事を進めても許された頃は華だったな〜と後で振り返り過ぎ去った時間を懐かしく懐かしく感じるというものです。
徹夜をしてしまえることが許される若者の特権。
その中でも主人公の気持ち・心情や熱量というものが最も向けられているのが彼女への想いです。もしかしたら恋愛中はこれが100%に限りないとすら思えるほど。
そうは見えるものの本作は実はラブストーリーではありません。

実はラブストーリーではない。
本作は、気持ちを前彼女への想いと行動に前振りしたような印象を与える出来になっているため、ジャンルとしては「ラブストーリー」であるかのように感じられますが、人生の一時期を描いた映画であり、ラブストーリーの尺・場面はその1部分にあたるだけのものです。
だから彼女と別れざるを得なかった後も、虚しくダラダラしたようなかつ諦めたような時間を人生で流していっているのを描いているのです。
恋愛も、仕事も、怠惰な生活も、側から見たらせっかく築き上げた時間やキャリアを捨ててしまうことも、それもまたこの青春期の出来事である・あった。
徹夜をしてしまえるような年齢・時期にの青春。
視点を変えるならば、時間を重ねて徹夜など身体にこたえてしまえる年代・年齢になった時に「ああ、あの頃にはそういうことがあったし、そういうことができたな」とふと振り返る瞬間が人によっては起こるでしょう。
そういうことです。

徹夜をする・勢いで夜明けを迎えて次の日に生活を持ち越しても何とかなる若さや愚かさが許される年頃だからこそ味わえるものがあり、それも人生の1部である。
犯罪でない限りはそれくらいの愚かさは許される若者の特権。
こんな感じで飲みましょうか。
それもまた人生です。
サミー

サミー