リオン66

ボーはおそれているのリオン66のレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.8
 誰かが、どんな美人も拡大すれば毛穴だらけといったが、本作はそんな毛穴を見せつけられるような映画。

 最も個人的なことは最もクリエイティブなこと。とスコセッシがいっている。

 本映画は、当に個人的な映画の最たるものの一つだろう。主人公の個人的な恐れが次々と襲いかかる。そして、その個人か恐れが見事に掘り下げられたために、突き抜けた狂気と滑稽に出会うことができる。それら手を変え品を変え、あらゆるもの、あらゆる形で次々と現れる。

 だが、よく見れば、それは似て非なるものといえども、近くで見れば、我々が己を満たそうと切望するものと似ているし、同じかもしれない。そんなことを、映画館の客席から感じた。観たいものがこの映画にはある。


 
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