このレビューはネタバレを含みます
ぼくは楽しめましたね〜
わりとボウに共感する行動があるし、アリアスターに期待するものはコレだし。
３時間の悪夢を観たい人は劇場へGO！
漫画太郎を読んでる人は耐性があるので、この映画を最後まで楽しめるぜ
以外ネタバレ考察
◆大まかな話
プチ障害がある子供の愛情確認のため、大金持ちのサイコママンが一計を目巡らす話で、登場人物のほとんどがママの手下である。
その中で、
ボウが傷付く事象はイレギュラーであり、
近づく人間の何人かは真実を言ったりする。
ママンの力があまりにも強大であることがわかってくるので、利権狙いの何かかな？と真実はなんなのか、というフックで見続ける事ができる。
冒頭の色々気になってしまうボウの思考、あらゆる不安が押し寄せてくる部分は若い時の自分に重なった。
◆ボウの観た世界
その過程で飽きないように、
ボウが解釈する現実をファンタジーに描写する。
それはボウにとっては紛れなもない現実であるが、なぜそれをみるのかの要因として以下が挙げられる
・ボウの障害
・過度なストレス
・薬物
→セラピストからの薬
→毒蜘蛛
→向かいの店の水
→夫婦からもらった薬
→その子供から吸わされたタバコ
→森の劇団の妊婦に飲まされた液体
とにかく得体の知れないものばかり摂取しているので何が起きてもおかしくない。
◆シーンごとの考察
1.ボウのマンション
セラピーに通うボウだが、何か他と違うものを抱えた人間である事がわかる。
だが、仕事は何をしているのだろう？
クレカを持つほど社会的信用があるのに、底辺地区で暮らす理由。
不自然すぎるのだ。
人は飛び降りるし、道に人は死んでるし、ヤバいとこにいる。
全て、ママンの事業でヤバいやつを集められた実験エリアである事がわかるのだが、誕生日に行かない選択をしてから仕組まれ始める。
深夜の騒音、カギと荷物、薬のための水、断水させて水を買わせる、行動制限のためのクレカ停止、タトゥーの奴が制御不能なのでパーティに乗じて殺害、医者夫婦の登場、この辺りは仕組まれてるね。
風呂の上のやつやマッパで刺してきた奴はイレギュラーでしょう。
風呂のシーンはタマタマがデカいことを周知するシーンでもある。
イレギュラーありすぎて破綻。
2.医者夫婦
明らかに娘の部屋で目覚め、不自然に親切な夫婦。指令は恐らくボウを引き止める事と療養。
外のデカい奴は薬付けの用心棒か。
ネイサンが死んだのは事実ぽいけど。
なにかにつけて理由をつけるの面白いシーンだ。
薬付けの娘もまたイレギュラーなので、ゆすり用？のハッパ動画や塗料自殺などこの場所も破綻する。
１つ、監視カメラのチャンネルが不自然なんだよな。
リアルタイムのチャンネルなのはわかるが、先送りができてしまう不気味さ。
これはもう走馬灯なんじゃないかな。
未来のネタバレをしてしまうのは斬新だったな。
◆森の劇団
森の中で塗料がついたパジャマの怪我人がいたら絶対逃げるよね。
しかも妊婦だし。明らかにボウを安心させる為のキャラクターだ。
劇を見せ、自分の人生を振り返させるシーケンスだが、ボウは自分なりに成長しているとも見える。
実際、ママンが死んでからボウは自立していく。自分で考え行動する。
ボウには障害があるのかもしれないが、実際の所はママンの存在がボウを抑制していた。
医師夫婦の所から追跡している男、昔関係があったらしいがパパだったのだろうか？
たぶんこれはママンの部下なだけな気がする。
医師夫婦の用心棒の乱入と自爆でここも破綻する。
妊婦もソッコー逃げるからまあイレギュラーな事態よね。
◆実家へ
ママンの家では葬儀（のフリ）が終わった後で、ボウは死体を見て早々にママンではない事に気付く。
さらに階段で自分の写真、ママンの死を聞いた時のもの見ている。
そこで、ママンがボウを利用しながら富を築いた事がわかる。
という事は、ソファで寝た段階でママンが死んでない事や仕組んだことも悟っている。
エレインと事に及ぶシーンで、ボウが腹上死すると思ったら逆とは以外だった。
ゴムに毒が仕込まれてたのかもしれない。
エレインが咥えてつける事も計算済みだったのかもしれない。
屋根裏はボウのトラウマの象徴だろう。
ホントに父がいるかもしれないし、いないのにボウがそう解釈したファンタジーなのかもしれない。
そのショックから、
ボウは母を殺したあと、
船に乗って海で死んだ、が事実だと思う。
ラストの裁判シーンはトゥルーマン・ショーみたいな感じに見えるが、
死ぬ間際にみたエクストラ走馬灯だ。
いわゆる審判の門、閻魔大王空間だ。
ホントに自分の行動が正しかったのだろうか。
そしてボウは母をみて諦めるのだった。
その瞬間に船の下の何かに殺される。。
なかなか良い結末だった。
ボウが沈んだ瞬間に帰り出す客がちらほらいるのが面白かった笑
規制退場避けるために帰る人みたいな。
全然理解できる良作だったけどな〜
