間

ボーはおそれているの間のレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.5
アリアスターの嫌がらせ節が3時間続くが、ただこの人実家に帰りたくないだけで滅入ってるんだなぁ〜を前提に見るとかなり面白い。こんな拒否反応にバリエーションつけられるのに驚くし、アリアスターの底意地悪さが見られて良い。
ボーは特に「家族という縛り」「母性と無償の愛」への根本的問いかけが強く、気味悪さが色濃く描かれていた。
それに救われる人もいるだろうけど、反面心を壊される人もいるし、〈母親が息子のために〉って前提が付くだけで美談にされがちなのはあるあるだよね。何事も良い塩梅が大事だって話だけど。

私は最近、生まれ属した家族ではおおよそ無償の愛を受けられるのに、新たに家族を築くときは性関係ありきの以前より重いギブアンドテイクが前提でしか形成できないのが疑問だったんだけど、
それを念頭にボーを見ると、母は新しい家族をボーに築かせたくないから性行為を抑制するようなことを言って洗脳していたのかな…等と思った。巣立ちを阻止したかったんだろな。

この物語どこからどこまでが現実なのかわからない構成なんだけど、勝手に、最初の実家に帰らなきゃ〜ってとこまでが現実で以降9割は全てボーの妄想(帰りたくなさすぎて)なんじゃないかと思ってる。
外の世界への恐怖心や周囲の人があまりにボーに敵意を向けすぎていることからも、多分。
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