ピロシキ

映画:フィッシュマンズのピロシキのレビュー・感想・評価

映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)
4.6
UAが言うところの「ドンズバ」の世代ではない。その声や音や言葉には触れてきたつもりでいたが、この映画によってようやくフィッシュマンズをちゃんと知る機会を与えられたという実感がある。孤独ではなく、孤高。変わり者、でもいい奴。音楽の鬼。憧れの存在。天才。

2500円という特別料金と、2時間52分という上映時間に抵抗なし。冒頭からすでに、そして終幕までずっと、劇場の至るところから涙をすする音が聞こえた。この映画の主人公はもうこの世にはいないのだと、あの劇場にいた誰もが知っていたのだから仕方がない。とはいえ、終盤に向けてその紛れもない事実がいよいよ現実味を帯びていくムードには、なかなか堪えがたいものがあった。

「命は尽きても、作品は残る」という言葉の通り、今を生きるメンバーによってフィッシュマンズというバンドは保たれ、歌い継がれる。サトちゃんはもういないけど、フィッシュマンズの音楽は常にそこにある。幸せ者である。

しかし音響がとにかくよかった。「ずっと前」のイントロでサブイボ立った。
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