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エッシャー通りの赤いポストのれのレビュー・感想・評価

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園子温新作というからちょっと身構えてしまったのだけれど、エネルギーはそのまま暴力性を感じさせないあったか映画になってた。ワークショップを開いて“無名の新人を使う”ことに重きを置いたどのことだけど、それでもやっぱ主役の二人はズバ抜けていたなと思う。去年観た〈脳天パラダイス〉に近い部分を感じつつ、園子温が描く渾沌はより人を巻き込む力があるんだな〜、と。
河原のあの疾走感も、「通り」を歩くエキストラそれぞれが脇役では終わらない演出も、画面の外にも物語があるということを画面内で見せつけてくれる。

あとは「逃げ」としての闘いが印象的。煮え切らない状態からの逃げ、しがらみからの逃げ、流されてしまう自分からの逃げ。逃げることで闘っている爆発力がコバヤシをはじめ皆にあった気がする。シンボルでありターニングポイントであり、ただそこに存在するポスト。

「カメラはな?愛してる奴に向けんだよ!」

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