KnightsofOdessa

Eternal Dance(英題)のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

Eternal Dance(英題)(1964年製作の映画)
4.0
[永遠のダンス、永遠の愛] 80点

カンヌ映画祭に出品された数少ないハンガリー映画の一つだが、技術賞を受賞したのに存在感が薄すぎるのが難点。死ぬまで踊った少女の伝説を、基となった民話を起点に18世紀ロココ、60年代の都市に置き換え、それぞれにフォークダンス、クラシックバレエ、モダンダンスを対応させて表現することで、英題の"永遠の踊り"に相応しい、時を越えて惹かれ続け、踊り続ける魂を描いている。三部のいずれにおいても、少女は黒衣の魔術師によって赤い靴を授けられ、音がある限り踊らされ続ける。恋人が目の前で殺されても、魔術師が手を叩くと泣きながらもリズムに乗って踊り始めてしまうのだ(なぜか一本満足バーのダンスを思い出してしまった)。台詞が一切ないので背景的なものはよく分からんのだが、逆にそれが色々と想像力を掻き立ててきて怖い。

黒いマネキンが踊り始めるシーンがどんなホラー映画よりもナチュラルに怖い。基本的にはスタジオセット的な舞台で踊っているのだが、非現実的な物語には即しているように思える。
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