さよこ

こんにちは、私のお母さんのさよこのレビュー・感想・評価

こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)
3.8
【泣きたいときに観たい映画】
母娘の物語は泣くのが分かってるのに、やっぱり盛り上がりのシーンはボロ泣きしちゃう。ラスト10分、涙止まらなくてヤバかった。

✴母の人生
エンドロールで本作のモデルとなった主人公の母の写真が公開され「母もかつては少女だったのに、そのことをいつの間にか忘れてしまっていた」みたいなナレーションはぐっときた。子供は母になってからの母しか知らないから、その前にたくさんの人生があったなんて想像できないでいる。少し考えれば分かることなんだけど、そういう当たり前のことを改めて気付かされた一文だった。

✴記憶の一言
子供はとても純粋で、母親の何気ない一言がずっと記憶に残る。例え1000の愛情を注いでも、僅か1の否定がその愛情を見えなくする。100%を求める子供と、100%の愛情を注いでる母娘の物語だと思った。親・子供どちらの立場から観ても心にじんわりくる映画。

✴1980年代
時代背景もあり日本でいうとトレンディドラマのような演出が多様されていて妙にツボだった。見慣れてくるとこれはこれで悪くない。同じアジア系の役者さんが多いからか日本の芸人さんに似てる人たちが出てて面白かった。「中川家の礼二さんが演じる中国人」「三四郎の相田に似たおぼっちゃん」「ラランドの西田に似たヒロイン(サーヤぽい表情もする)」「きつねの大津に似た太鼓持ち」など日本版作るなら芸人勢ぞろいだなと思った(本作に関係ない感想ですみません)




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⚠️この先は公開後に読んでください
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✴愛されたい娘
自分自身が割とドライな親子関係で育ったせいか、娘の母親を喜ばせたいという強い気持ちはあまり共感できず、主人公が過剰に母親を求める姿に却ってゾッとしてしまった。自慢の娘になりたいからと○○まで偽装するのは明らかに一線を超えてるし何が彼女をそう掻き立てるのか、母親への執着というか強い依存性を感じてしまって見ていて辛かった。美談に感じる人もいるかもしれないけど自分には分からない世界だった。※けど最後は号泣しました!!!

✴他人の幸せは度外視
母親の幸せを願うあまりそれ以外の人の幸せを蔑ろにしているように感じて(それが前述の恐怖心にも繋がってると思う)主人公を応援する気持ちがあまりわかなかった。

どちらかというと母親と対立する美人のほうに興味が湧いた。今でこそ金持ちセレブとして名を馳せてるけど若かりし頃はそこら辺にいる人と変わらない普通の少女。傍からみたら苦労せずに裕福な暮らしをしているように見えるが、実際にはあの時代に○○を任され、仕事の実力で成り上がってきた。きっと彼女にも夢があって、もしかしたら田舎を出たかったのかもしれないし、人知れず女優になる夢があったのかもしれない。自分がやりたくても出来なかったことを1つ1つ丁寧に自分の子供に与えていったのではないか。その結果、子供は○○に留学して、自分の夢を叶えてる。どちらが良い母親か、良い娘かを比べる必要はないと思うけど、ライバル美人ママの底知れぬ努力と子供へ注ぎ込む愛情を感じ、憧れるなら美人ママのほうだなぁと思った。

ちなみに高校生のヒロインを演じたのは撮影時39歳のジア・リン。自身の母との実話を元に監督・脚本・主演に初挑戦したらしく、母親とのクライマックスは迫真に迫る演技だった。でも…ほら39歳で高校生役はちょっと無理があるし、結構図々しいなって…あの…思ってしまいました。子持ちに見えるんよ…すまん…🙏
さよこ

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