れでぃ夫

茜色に焼かれるのれでぃ夫のネタバレレビュー・内容・結末

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

テーマは今の人に刺さるし、
悲しいことの連続でどうして自分だけ……ってみんなが陥っている状況の極致を見せられるような映画で面白かった。

が、正直なところをいうとかなり節操のない脚本ではあるなと思うのも1つ笑

舞台は確実に池袋のひき逃げ事件をモチーフにしている。
しかもかなり直接的にわかる形で描いている。
起こった事実への怒りを強く反映された作品で、
もし、取り残されたのが母子家庭だった場合どうなっていたのかというのが描かれている。

加害者家族からは邪険に扱われ、バイト先からは理不尽な理由でやめさせられ、母は風俗で生活費を稼ぎ、子どもはいじめられ、母に恋の相手ができたと思ったらもてあそばれ、風俗でできた友達は死が目前に迫っている。

そこまでボコボコ殴られながらも笑顔で対応し、なかなか怒らない。
けなげに頑張る。
そういう映画だった。

エンタメとしてはとても面白い。
オープニングの事故シーンは非常に素晴らしいし、
不幸に耐えるシーンと不幸に打ち勝つシーンはとても感動的だ。
だが、不幸を盛り合わせ過ぎてしまった感は否めない。
そのため、テーマ性は色濃く感じるにも関わらず、エンタメ作品だというような印象で終了してしまったのが残念だった。

終盤のコメディー的な解決が強く頭に残り、その裏に横たわる悲しい現実が少し薄まってしまったようだった。
楽しくは観れました。
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