ロックウェルアイズ

アミューズメント・パークのロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
3.8
〈あらすじ〉
遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう。

昨年公開された劇場未公開だったロメロの幻の作品。
ロメロのホラーじゃない作品として紹介されてたりするけど、老いの恐怖や残酷さを淡々と描いた真のホラーという印象。
人種や格差による二項対立的な恐怖映画はよくあるけど、若さと老いの怖さにフォーカスした作品はあまり見ないので割と新鮮だった。
老人が希望を胸に、扉を開けて遊園地という外の世界へ足を踏み出す。
しかしそれは夢物語。
実際は老人なんかまともに相手してくれない。それどころか厄介者扱いでひたすら酷い目に合い、老人は再び扉を開けて最初の部屋に戻ってくる。
1970年代から高齢者の社会地位の問題を映画として取り扱っているのが驚き。
映画としてのメッセージ性も高い。
後ろにしれーっと死神がいたり、生きていく上で起きる様々な事象を遊園地という場所を使って表したり、演出面に関しては流石としか言いようがないのだが、最初と最後の男性の説明には少し拗さを感じてしまった。
また、メッセージ性に特化しているため、あらすじを見れば分かるがストーリーは有って無いようなものだ。
特に面白いというようなものでもないので、出来の良い啓発ビデオくらいで観るのが丁度良い。
それにしても、50年近く経った現在においても高齢者への社会福祉問題があまり変わっていないのは考えものだなと。