責任ある出来・仕事の為に突き詰めるが故に、芸術肌の人は心を病みそうになったり職人さんは家庭を壊す原因になってしまったり…
「感想」
まさに上記をしっかりと描いています。
本作は結構面白い。
人間ドラマを掘り下げているのもすばらしかったのに加えて聴覚過敏というのも面白いアイデアです。
常時ではなくとも皆が…誰にでも一度は経験しそうで感情移入が出来そうな題材なのになかなか思いつかないもの。
「作り」
本作の核心は、表題です。そしてやがては自らをも壊してしまうという。
社会派の面は本作を彩るものに過ぎません。とはいえそれがまたしっかりと描かれている為に映画の出来を上げているのですから見事です。
本作はまさに王道の作り・構成です。
ではあるのですがよくある映画と違って出来が良いのが、表面的な収益の為に取り組んだのではなく良い出来にすれば収益にも結びつくという根本的なものに向かい合っているのを感じられる点です。
それは主人公の顛末に現れています。
本作は映画です。表面的なハッピーエンドしか推敲出来ないのであればこうはならずによくあるハリウッド映画的な作りになったでしょう。
時には厳し目に作るのもリアルさが増して出来を彩ります。
