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ブラックボックス:音声分析捜査のSPNminacoのレビュー・感想・評価

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ヴォイスレコーダー・ミステリー。『THE GUILTY/ギルティ』みたいにワンシチュエイションで展開するサスペンスかと思ったら違った。有能だけど信用に欠けるはみ出し者主人公がたった一人で飛行機事故の真相に迫るという、刑事や弁護士や記者ものによくあるオーソドックスな作りだ。神経質そうな風貌のピエール・ニネが拘り強い調査官マチューにぴったり。でも耳のショットを強調する割には聴覚だけでなく目も足も使う、もっとアクティヴな探偵だ。
安全や倫理より利益優先な航空会社の隠蔽工作に意外性はないが、捜査過程は様々なピンチで追い詰められて先を読ませない。音声と機内での出来事、愛妻への疑惑、消えた同僚…何より日頃から煙たがられてるマチューなので誰もが非協力的。それでも真実を見過ごせない(聴き過ごせない)、とパラノイア的に突き動かされるのは良心なのか性分なのか…その辺は遺族や夫婦関係などでもっと人間的ドラマがあっても良かった。というか、そう期待させられたので肩透かし。やっぱ性分かな。あくまでプロの使命感に殉じる訳だし。
調査部署でのブラックボックスの取り扱い、分析作業とかはなかなか観られない光景で面白い。データ管理甘いけど。てか、そもそもこの事故、超ウッカリ案件じゃないか。まあとにかくピエール・ニネありきで成り立ってた。耳の形が独特。
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