ふつうってなに?
異性を好きになって結婚して、子どもをつくること?
ゲイである自分が嫌いで、苦しくて
なんで僕なんか産んだんだよ!って
そう泣きさけぶ息子を前にして母親のズキズキとした胸の痛みも伝わってくる。
青春もののLGBTをどこかでファンタジーのように描くものも多くある中で、これは真正面からぶつかっていた作品。
ずっと昔橋口監督が作った「渚のシンドバッド」なんかもそうだったが、青春✖️LGBTをよそ見せずに描くこういう作品は好きだ。
信頼できる。
思春期は誰もが「ふつう」という檻の中で苦しむけれど、答えが出ないまま何となく折り合いをつける中で、セクシャルマイノリティの若い魂がどう救われることができるのか?
重くなりすぎず、苦しいけど最後はなんとか優しい気持ちになって、涙を拭いながら観終えることができてよかった。
彼のような若者が、もっと当たり前に、堂々と生きていける時代が早くきますように。