あさ

彼女が好きなものはのあさのレビュー・感想・評価

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
4.2
思っていたより全然ライトじゃなくて良かった。評価高いのは目にしていたけれど、ここ最近コレ系でちと疲れることもあったからか期待はできず…そんな気持ちで再生して申し訳ない。素敵な原作なんだろうな、と思ったら既に原作者様が亡くなっていて悲しくなる。この人の描いた物語をもっと知りたくなった。

2時間の尺の中によく収めたなあと…。展開的には勿論フィクションなんだけれど、最近よくある「寄り添ってますよ」映画では全然なかった。(やはり原作がきっと良いのだろうと思うけれど、映像単体で見てもかなり凄かった。) 理解があるつもり、なの私もそうだろうなと思うし。大体「理解」って何様だよっていうね。りょうへ〜が本当にいい奴すぎて、彼みたいな人が一人でも居てくれたら。ベタに幼少期のシーンで普通に泣いちまったよ。決定的な追い打ちは小野であるが、彼も彼なりの正義があるし言ってることは間違っていない。ただしそれを「それは言い訳だ」と諭せるりょうへ〜がやっぱりいい奴ではあって、最終的に謝れる小野もいい奴。なんかもう…世界、こうあれ。摩擦は体力を消耗するけれど、そうして前に進んで行くんだというのはとても大きなメッセージだなと思った。仮面を被って擬態するゲイについてのフォーカスや、精神病院に連れられ耐えきれなくなった少年の話、色々詰め込まれていたけれどどれも点と点が結ばれていて、最初にもう書いてるけど本当によく2時間にまとめたなという感想。あと背中と声だけで存在感のある磯村勇人すごい。背中と声だけなのに起用出来ててすごい。

腐女子姉さんの彼氏に何回「コイツ馬鹿か?」と声に出してしまったことか。あと三浦さんの浴衣には私も瞬発的に「可愛い!」が声に出た。可愛かったよ。神尾楓珠さん、ちらほら見るけれど、この役はマジですごいなあと感心感動。
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