くらげ

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のくらげのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

因習の煮凝り!
これがホラーじゃなくミステリーだったら仲間由紀恵と阿部寛がまるっとお見通ししそうな辺鄙なド田舎っぷり。
昭和30年代頃、トトロと双璧をなす懐かしさ全開の景色、背景がとにかく美しい。
アホほどみんな煙草吸ってる時代描写も久々でこちらも懐かしい。
序盤から手持ち風カメラワークがホラーの雰囲気を掻き立ててくれる。
その分、キャラクターの動きにヌルつきが足りなくて不安だったけれど慣れるもので。
バトル中、狂骨の背中から新しく顔が生えてくる辺りで鳥肌。

最近は首→ナポレオンとコッテリとゴア有り時代劇を堪能したので申し訳無いがその辺りは薄味に感じてしまって。
ナポレオンと同じPG12なのか。
因習の一番キモい所が理由か。
話聞いただけで吐くほど、当時でも御法度だったのかな?

反面、作品を通してのメッセージ性はハッキリ鮮烈。
戦争、拝金などへの批判は御伽噺にしても痛烈で「そうよねぇ馬鹿馬鹿しい限りよねぇ」と首肯しっぱなし。
反面教師担当のジジイが喋るわ喋るわマジで腹立つわ。
愛すること、守ること、生きること、命を繋ぐこと。
対するゲゲ郎と水木さんがイケメン過ぎて胸に来るんすよ。
人の家での寝煙草を止めてくれたら尚良い。
傷痍軍人としての水木しげるの分身なのか、と思って観るとこれまた感慨深い。

小娘暴発がラスボスかと思いきやクライマックスの二段構成。
幽霊族由来の狂骨を封印する呪詛返しで幽霊族では勝てないフィールド、とか用意周到過ぎるジジイに更に腹立つ。

基本的にミニ狂骨は記憶と心を食うのかな?
肉を食い破ってくるタイプとは別なのか。
使役次第?
そして幽霊族、バベルの塔の時代から居るのね。

肉弾戦ゲゲ郎がバチコリにカッコ良かった。
せり出し洋館を破壊する勢いで良いバトルだったなぁ。
何度か出てくる人形はただのホラー雰囲気アイテムではないよね?
咳き込む子供、列車内でのゲゲ郎とのファースト邂逅、多分伏線のはずなのに、何処かで回収されたのを見逃したのか?
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