龍生

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎の龍生のレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
5.0
レンタルまで待とうかと思ったが水曜日が1300円で見られるから観に行った。

これは正直参った。まさか鬼太郎でちょっと泣きそうになるとは思わなかった。

元々鬼太郎の誕生という話は水木しげる自身が漫画原作の時点で描いているし、鬼太郎の文庫本で今でもその話は読める。自分も持ってるから鬼太郎誕生の話は既に知っている。

その上で映画予告見る限り、まあ原作漫画とは似ても似つかん話ではある。
知ってる人なら皆そう思うだろう。
別に水木という男が電車に乗ってるシーンもなければ鬼太郎の親父が鬼太郎似の姿で登場するシーンも原作では一切出てこない。
鬼太郎の母親も原作ではお岩さんみたいな見た目で映画に出てくるような美人でもない。

それは商業映画を作る上であんな地味な原作の話を映画にした所で売れるわけもなく、原作の鬼太郎誕生の話も特に名作って程のいい話って訳でもないから、こちらとしても別にそこを期待もしていない。

この映画レヴューで鬼太郎6期の世界線での話って言ってる人結構いる。
それはオープニングで鬼太郎と猫娘が出てくるのだが、8頭身verの猫娘が出てくるからそう言っているのだろう。

原作漫画を敢えて「正史」と言うのであれば、今作はドラマティックに話盛り盛りで肉付けした、いわゆるパラレルワールド的な作品だろうし、むしろそれでいいと思っていた。
だから6期の世界をベースにした6期の中での誕生秘話って位置付けでの話なのだろうと。
しかし最後まで見て分かった。


これは何期とか関係なく、ゲゲゲの鬼太郎の正史として鬼太郎の誕生話を作っている。


こう書くと、原作勢には信じられないだろうが見た限りそうなのだから仕方がない。

鬼太郎興味皆無な人が見ても面白いのかどうか知ってる身の自分には分からんが、これは原作知ってるから今更ifストーリーとか別にいいわ!って思ってる人こそ見た方が良いと感じた。

あと原作見てない人は、あれだけでは結局何故鬼太郎の親父が目玉になったのかは分からんって人もいるだろうけど、原作読めばその辺はちゃんと分かるので興味があるなら見るといいです。
ていうか読んだ所で納得出来るような大層な理由らしい理由もないけど。

そしてよく言われてるホラー要素強すぎって話だが、ホラー苦手な自分でもさほど抵抗なく見られる程度だったのでそこまで構えて見る必要はないです。
死体や死に際の目玉のシーンだけやたら強調して描かれるからそこがホラー要素の肝だと思うが、あれは最終的にゲゲ郎が目玉の親父になるっていう事へのメタファーとしての表現だろう。

帰りパンフレット買おうとしたらゲゲゲだけ売り切れてたわ。
仕方ないからネットで取り寄せるかと思ったら既にプレミアついてやがった!どういう事だよ?
まだ上映してるのにプレミア付くのかよ!っていうか再販とかしないの?

あと最後に、種崎敦美、人気作出過ぎだろ、やべぇよ😱




ここからは少しネタバレあるので見たい人は読まないでください。





原作ではお岩さんみたいな母親も、今作では美人に描かれていたが、終盤原作に寄せて来るエピソードあってあれ?っとは思った。ここで原作踏襲してくるのかと。

そして最後の最後であんな形で原作の鬼太郎誕生に繋げてくるとは思わなかった。
無論今作と綺麗に繋がるように多少改変はしてるけど、そこを期待してなかったのでちょっと感動してしまった。

帰ってから原作読み返したがそのまま原作差し込んでたわけではなかった。
あの演出はニクいわ。
龍生

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