ズシリと重い。全然PG12で済むダークさじゃない。
シンプルに村ホラーとして面白い。
人間の嫌なとこ濃縮してる。
１番人間として立派なのが、人間ではないゲゲ郎というのが…。
子孫への継承っていうのがけっこうテーマなのかな。
龍賀の人間は、何もかも子孫に継がせるというか、もはや子孫の人生までも乗っ取るというか…家をそのまま保つことにのみ執着している。
それと対比になっているのがゲゲ郎。怨念や暗い因果は、絶対に我が子や次の世代に残さないと奮闘するゲゲ郎がめちゃくちゃカッコいい。
それが人間を愛し続けた妻の影響であり、そんな妻にゲゲ郎は心底惚れているというのが、また人間味がある。
だからこそ観ているこちらはゲゲ郎の背負った悲しみに共感することが出来るし、好きになる。
軍人上がりの水木も良いキャラしてるのよね。人の死をたくさん見てきたから、けっこう他人の生死に対して薄情なのかと思いきや、ゲゲ郎との関わりもあって結局人間らしさを全く失わずに最後まで走りきった。
戦闘力なんてほとんどないのだけど、不思議と足手まといな感じは全くしなかった。
アニメ作画もやけに良くて、戦闘シーンのアクションが良く映えてた。
村のジメっとしたパートと、ゲゲ郎のアクションパートの緩急も良かったなぁ。
このイケメンがあの目玉の親父になるの…？
茶碗にお湯いれて風呂みたいに使ってるあの珍妙なキャラに？笑
不満があるとすれば、龍賀のジジイの小物感があからさま過ぎたところかな。
自分がやってきたことや目的を全部説明してくれて、ずっと高笑いしてて。
そこだけ突然子ども向けアニメの悪役感全開にしてきたから、ちょっと雰囲気変わってしまったかな。
ゲゲゲの鬼太郎は20年くらい前にテレビアニメでたまに観てた程度なので前知識全然なかったのだけど、これは１本のアニメ映画として純粋に面白かったし、原作を知っているほどさらに楽しめるんだろうな。
